脳神経外科Neurosurgery
「脳」の病気と聞くと、ある日突然起こる大病のように思われがちですが、日常的によく起こる頭痛やめまい、手足の痺れ、肩こり、高血圧、物忘れなどの症状の中に重大な脳の疾患が隠れています。
よくみられる脳の病気・症状の代表例
-
めまい・嘔吐・ふらつき
慢性的に「めまい」や「吐き気」、「ふらつく」ことはありませんか?単なる「めまい」だと思っていると病気が進んで命にかかわることもあります。小脳や脳幹部に起こった脳梗塞は、時間をかけて徐々に症状が悪化することが多くあります。早期の発見、治療が大切です。
-
まひ・しびれ ろれつが回らない
突然、「半身の手足の動きが悪くなった」、「なんだか体がしびれる」、「ろれつが回らない」という場合は、脳の血管がつまった(脳梗塞・脳血栓)、もしくは脳内で出血が起こった(脳出血)のいずれかが疑われます。 これらの脳血管障害は早期に治療を開始することが大切です。
-
頭痛
頭痛には大きく分けて2つの種類があります。 1つは筋緊張型の頭痛や血管の拡張により引き起こされる片頭痛などのタイプ。もう1つは『くも膜下出血』や『脳腫瘍』など、放っておくと生命に危険をおよぽすこともある器質的な疾患のタイプです。まずはどちらのタイプの頭痛なのか早期に判断し、治療することが大切です。
-
物忘れ
なかなか治らない病気と思われがちな「物忘れ」や「認知症」ですが、これらを引き起こす原因は様々あり、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症など早期の治療で治る認知症もあります。この場合も早期の診断が大切です。
-
手足の筋肉のつっぱり
脳卒中の後遺症としてよくみられる症状ですが、「手指が握ったまま開きにくい」「肘が曲がったまま伸ばしにくい」「肩が上がらない」「肩の痛み」などの症状があります。これらは「痙縮」という病気で、手足の筋肉が固くなっていることが原因で、注射により筋肉を柔らかくし動かしやすくすることが可能です。
-
眼瞼・顔面のけいれん
眼瞼けいれん、片側顔面けいれんは、眼の周りの筋肉が自分の意志とは関係なくけいれんする病気です。最近は注射(ボトックス)により一時的に症状を改善させる治療もあります。顔面のけいれんでお悩みの方は一度ご相談ください。
片頭痛について:つらい頭痛に悩む方へ
片頭痛とは?
片頭痛は、頭の片側あるいは両側に拍動性の痛みが繰り返し起こる慢性的な頭痛です。ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴で、日常生活に支障をきたすほど強い痛みとなることも少なくありません。
片頭痛の主な特徴
- 痛み方:拍動性(ズキンズキンと脈打つような痛み)
- 痛む場所:頭の片側が多いですが、両側に起こることもあります。
- 頻度:数ヶ月に一度から週に数回まで様々です。
- 持続時間:4時間から72時間続くことがあります。
- 随伴症状:痛みに伴って、吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるなどの症状(光過敏、音過敏)を伴うことが多いです。
- 悪化要因:身体を動かすことで頭痛が悪化することがあります。
片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、脳の血管や神経の炎症、脳内の神経伝達物質の異常などが関与していると考えられています。遺伝的な要因も指摘されており、ご家族に片頭痛の方がいる場合、発症しやすい傾向があります。 当院では、患者様一人ひとりの症状や生活背景を詳しくお伺いし、適切な診断と治療方針をご提案いたします。
片頭痛のタイプについて
片頭痛は、前兆の有無によって大きく2つのタイプに分けられます。
前兆のある片頭痛(典型的な片頭痛)
頭痛が始まる前に、以下のような「前兆」と呼ばれる症状が現れるタイプです。前兆は通常、5分から60分程度続き、その後頭痛が始まります。
主な前兆の例
- 閃輝暗点(せんきあんてん):ギザギザとした光の点や線が見えたり、視野の一部が欠けたりする視覚症状が最も一般的です。
- 感覚症状:手足や顔にしびれやピリピリ感が生じる。
- 言語症状:言葉が出にくくなる、言葉を理解しにくくなる。
- 運動症状:手足に力が入りにくくなる(非常に稀)。
前兆は必ずしも毎回現れるわけではありません。前兆が現れた場合は、頭痛が始まる合図として、早期の対処が可能になることもあります。
前兆のない片頭痛(非典型的な片頭痛)
頭痛が始まる前に明確な前兆がないタイプです。片頭痛の患者さんの多くがこのタイプに該当します。突然頭痛が始まり、拍動性の痛みや随伴症状を伴います。
まずはお気軽にご相談を
「脳」の病気を防ぐには、早期の「健康診断」と「治療の開始」がとても重要になります。上記のいずれかに当てはまる方、まずはお気軽にご相談ください。